News Release

ポリン様タンパク質は結核菌のロウ様の防御壁を介して栄養分(おそらく薬物も)をこっそり入れる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

遅育性結核菌が、自らを標的とする薬物に脆弱となることなく、どのようにして膜を介して栄養分を獲得しているのかを説明するため、研究者が、細菌の有名な堅いロウのような被覆内でポリン様タンパク質ファミリーが重要な役割を果たしていることを報告した。この結果は、新しい結核菌薬の開発に利用できる、貴重な新しい見識を提供している。結核菌の感染(結核の原因)は、治療が困難なことで有名である。この病原体は、抗菌治療にも宿主免疫系に動員された容赦ない攻撃にも高度に抵抗性となり得る。他の遅育性マイコバクテリアと同様、結核菌は独自のロウ様の外膜に覆われており、そのおかげで人体の厳しい環境でも生存できる。ほとんどの低分子はこの鎧のような被覆に入り込めないが、不可欠な栄養分はこっそりとこの細胞のロウのような防御壁を通過できる。これがどうやって起きているのかは依然として謎であるが、関与しているチャネル(特定されれば)を操作できれば、結核菌の抗菌薬感受性を高める方法を提供できる可能性がある。Quiglan Wangらは、結核菌の殺傷に特に有効な単純な分子を評価しているときに、PE/PPEタンパク質(病原体の外側被覆と病原性に関与する豊富なマイコバクテリア特異的タンパク質の大きなファミリー)のユニークな役割を発見した。PE/PPEタンパク質は以前から結核菌の病原性に重要であると考えられているが、その機能は謎であった。低分子阻害薬と遺伝的操作を用いて、Wangらは、複数のPE/PEEタンパク質が細孔様タンパク質(ポリン)として機能し、それによって細胞のロウ様の壁を通りぬけて重要な栄養分が輸送され、抗菌薬による攻撃下でも結核菌が生存でき伝播できるようになっていると結論付けた。

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