News Release

岩盤から放出されて、窒素は生命を支えることができる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

陸成土壌および植物に含まれる窒素は、これまで主として大気圏に由来すると考えられてきたが、新たな研究が、これまできちんと評価されてこなかった窒素の新たな発生源として、乾燥した岩盤の存在を指摘している。窒素の利用可能性は植物の成長を左右するため、今回の結果は、炭素サイクルと地球気候変動を理解するうえで重要な意味がある。Benjamin Houltonらはその研究の中で、通常は地球の地表面の生態系における窒素は大部分が大気圏に由来すると考えられているが、地下に多くの窒素が存在すること、またそれらは岩盤が乾燥する時に放出されると指摘している。岩からの窒素の放出の程度を探索するため、著者らは3つのアプローチを用いた。第一に、地球規模での大気圏、生物圏、水圏および岩石圏の間の地質時代をまたがった窒素交換に関する研究を調べ、全体的な窒素収支を明らかにした。第二のアプローチでは、幅広い多様な地球化学的な代理指標(化石サンプル内の有機炭素など)を調べ、経時的にどれだけの炭素が、またしたがってどれだけの窒素が放出されたのかを推定し、その結果得られた値は第一のアプローチとよく一致する。第三に、モデル化を用いて窒素流出を検討した。以上の3つの分析に基づいて著者らは、岩盤の乾燥は地上の窒素収支全体の6~17%を占めており、これは年間11~18テラグラムに相当し、大気圏に由来する窒素の量に匹敵すると示唆している。

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