News Release

新規ワイヤレスシステムが新生児患児のモニタリング法を変える

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

世界でも最も弱い患者のうちに数えられる、早期産や消耗性疾患の新生児のバイタルサインをモニタリングするための、低侵襲の新規システムにより、そうでなければ不可能である患児との肌と肌の触れ合いが可能になるであろう。この方法を詳細に報告した論文によれば、このシステムは、大量の有線で接続したセンサーを必要とする従来型のシステムの欠点を克服するもので、皮膚に近い超薄型の電子センサー技術を用いてワイヤレスの操作が可能になるという。「(この研究は)最先端に属するもので、物理学、化学および工学の力を結集して、科学の限界に挑戦するような極めて脆弱な患者、すなわち早産児や重篤な新生児に対する臨床ケアのための新たな選択肢を提供する」と、Ruth Guinsburgは関連するPerspectiveで記している。米国全土で毎年、早産児を含む30万人もの新生児が新生児集中治療室(NICU)に入室している。早産児は特に、極めて健康状態が不安定なため、継続的かつ注意深いバイタルサインのモニタリングを通常必要とする。例えば体温、心拍数、呼吸数および血圧などの情報は、新生児の生存確率を高める上で不可欠となる。しばしば、このような継続的なケアを達成するためには、多くのセンサーや電極を新生児の皮膚に取りつけ、周囲の医療機器に有線で接続して使用することが必要となる。しかし、そうした技術が不可欠であるにもかかわらず、網の目を張りめぐらすように機器を接続することで、別の種類の臨床ケアや検査の妨げとなることがあり、また電極により新生児の脆弱な皮膚が傷つきかねない。さらに、そうした接続機器は、肌と肌の触れ合いにとって大きな妨げとなり、親は生まれたばかりのわが子を抱くことができない。これまで代替技術が提案されてきたが、NICUとその中にいる小さな患者に特有の困難な要求に包括的に取り組むものや克服するものはなかった。この必要性に応えるため、Ha Uk Chungらは、ワイヤレスでバッテリー不要のバイタルサインモニタリングシステムを開発した。このシステムは、対になった皮膚に近い極薄型の、繊細な新生児の皮膚に水だけで無害に装着できるセンサー を用いている。Chungらのシステムは、デバイス上であらゆるバイタルサインデータを収集・処理して、ワイヤレスでリアルタイムに外部機器に送信することができる。著者らによれば、このシステムの予備的テストおよびNICUの新生児に対して実施中の臨床研究では、臨床で標準的に用いられている最新のモニタリングシステムと同等の性能を発揮することが示されているという。GuinsburgはそのPerspectiveで、この技術が世界的に使用される可能性を強調しており、低開発国も含めて「世界中で(この技術は)モニタリングに革命を起こし得るものとして、臨床実践に影響を及ぼす計り知れない可能性」を秘めていると述べている。

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