新しい研究の報告によると、白色矮星を周回する初の小さな惑星体の1つが発見されたという。この発見は惑星系の終末期を解明するのに役立つものである。これまでに、1つ以上の惑星を有する恒星は約3000個確認されており、そのほとんどが太陽と同じく主系列星である。こうした主系列星は数十億年たって燃料切れになると、小さな白色矮星に移行する。研究者の間では、白色矮星は惑星の生き残りを有しているのではないかと考えられている。一部の白色矮星は周囲にデブリの痕跡が見つかっており、これはおそらく移行中に破壊された惑星由来のものだと思われるが、恒星の残骸である白色矮星の周囲に完全な状態の惑星があるという証拠は欠如していた。今回の研究では、Christopher Manserらが分光法を用いて、白色矮星SDSS J122859.93+104032.9を取り囲むデブリ円盤内のガスを調べた。分析の結果、ガス輝線に周期的変動があることが明らかになり、彼らはこの変動が円盤内部を周回する小さな惑星体(微惑星)によって生じたに違いないと結論付けた。彼らの算出によると、白色矮星の近くを2時間で周回する微惑星が、恒星の重力によって引き裂かれないためには、非常に高密度でなおかつ直径600キロメートル未満でなければならないという。Manserらは天体の密度が高いことを踏まえて、この微惑星は、惑星の外層が恒星の潮汐力によってはぎ取られた後に残った核ではないかと推測している。従って、白色矮星を周回する完全な状態の微惑星を初めて検出したことになる。関連するPerspectiveでは、Luca Fossatiが、今回の研究方法は従来の惑星探索技術では検出できないような、白色矮星を周回する他の微惑星を確認するのにも役立つだろうと述べている。
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