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予想されたより豊富に存在する大質量星

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

近傍にある星形成領域の観測結果から、モデルで予想されていたよりも多くの大質量星が存在することが明らかになった。紫外線放射、恒星風、超新星爆発および重元素の生成によって、大半の大質量星がその周囲に重大な影響を及ぼすので、このように大質量星が過剰に存在すると、天体物理学にとって広範囲にわたる影響がある。重い恒星ほど超新星として爆発するまでの寿命が短いので、大質量星を研究することは困難である。今回の論文では、我々がいる天の川に隣接する銀河である大マゼラン雲にある若い恒星の集団であるタランチュラ星雲(別名は旗魚座30[30 Dor])という領域にある数百個の恒星に関する超大型望遠鏡VLT による観測結果をFabian Schneider らが分析している。個々の集団に形成される恒星の数をモデル化し、観測によるバイアスに対する調整を行うことによって、今回の論文の著者らは生成される大質量星の割合を明確に決定することができた。星形成に関して長年提唱されていたモデルよりも多くの恒星が(太陽の質量の30倍を超える)重い質量で存在しており、恒星の質量が重くなるほど、この食い違いが大きくなっていた。このような非対称な分布はtop-heavyな初期質量関数として知られているが、ブラックホールおよび中性子星といったエキゾチックな天体がより多く最終的に生成されると予想されている。今回の論文の著者らは、これらのデータを使用して、星形成事象の持続時間も推定しており、30 Dor における爆発的な活動が1000万年より短い期間で比較的迅速に発生したことを発見している。

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