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SELF-1ペプチドは、捕食性線虫が自分の親族を食べないようにしている

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

捕食性線虫の皮膚で産生される小型のペプチドは、線虫を、近親者は食べるが肉親を共食いしないようにさせていることが、新しい研究で明らかになった。自己を認識する能力は重要な特性であり、多くの重要な生物学的プロセスを制御している。自己認識システムはさまざまな生物で認められているが、基礎となる分子機構はよくわかっていない。これは、自己と他の生物とを区別する能力がまだ説明されていない線虫(地球上で最もよく研究されている生物の1つ)に特に当てはまる。これまでの研究で、捕食性のPristionchus線虫が他の種の線虫の幼虫を食べることが明らかになったが、この共食い性は自分たちの親族や種全体に存在するのだろうか。James Lightfootらは、Pristionchus、その親族、および他の線虫の種との被食者間相互作用を検討し、自己認識システムが、自分たちの子を認識して自分たちの親族を共食いしないようにしていることを明らかにした。一連の実験で、捕食性Pristionchus線虫が、Pristionchus pacificus種を含む近縁の他の種の幼虫を殺して食べることが観察された。しかし、Lightfootらは、それぞれの場合に自分の子孫を殺して食べることが避けられていたことを明らかにした(動画参照)。自己認識の特異的な分子誘発因子を明らかにするためにCRISPR/Cas9を用いて行ったアミノ酸操作後を含め、2つのP. pacificus種のゲノムをマッピングし比較することで、Lightfootらは、原因ペプチド、すなわち高頻度可変性小型ペプチドSELF-1を特定した。self-1遺伝子が変化すると自己認識が喪失し、関連ペプチドを失った個体は自分の系統により迅速に共食いされた。Lightfootらによれば、この結果は、共食いを防ぐためにP. pacificusdeが使用している分子システムを明らかにしている。

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