News Release

スマートなセキセイインコにはより良い番いの相手が見つかる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

オスのセキセイインコは、利口であることを示すことでメスのセキセイインコにとってより魅力的な存在になることが、新たな研究により示唆されている。この研究によれば、「利口な行動」、例えば餌を手に入れるための問題を解決する能力などを直接見ることは、トリにおいて番いの相手に対する好みに影響を及ぼし得る。これにより、特に高い能力をもつオスは、メスにとって番いの相手として好ましい存在となる。このような行動は、ヒト以外の動物における認知能力の進化の背景となってきた可能性がある。ダーウィンが最初に提唱して以来、より知能の高い個体が生殖の相手として好ましいものとされ、生殖の相手として能力の高い個体を選ぶ「性選択」が動物の認知能力の進化において大きな貢献を果たしてきたという仮説が、長いこと信じられてきた。しかし、認知における適応力がもたらす利益については、その基礎にある選択メカニズムとともに十分に解明されておらず、人間以外の動物種ではほとんど研究されていなかった。鳥に関するこれまでの研究では、知能に関連する鳴き方などの二次的行動に基づいて、認知能力の高い番いの相手が好まれるとの推測がなされてきた。しかし今回の研究の著者らによれば、そうした結論には限界があり、番いの相手の選択における認知能力の役割に直接取り組んだものではないという。Jiani Chenらは、オスの問題解決能力に対するメスの好みについて、オーストラリア原産の小型のインコであるセキセイインコを用いて検討を行った。Chenらは、番いの相手の候補となるオスが問題箱を開けて中にある餌を手に入れる能力を見た後で、メスの好みが変わるかどうかを調べた。一連の実験において、メス鳥は二羽のオスと組み合わされ、そのうち一羽を好みの相手として選んだ。次いで、メス鳥から見えないところで、選ばれなかった方のオスに対して、餌の入った問題箱を開ける訓練を行った。その結果、訓練されたオスが問題箱を首尾よく開けるのを見たメス鳥は、最初メス鳥に選ばれたが訓練を受けなかったオスが箱を開けるのに失敗するのを見て、最初は選ばなかったのに利口さを示したオスを好むように変わったという。関連するPerspectiveでGeorg StriedterとNancy Burleyは、この研究についてその限界も含めて論じている。

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