News Release

絶滅危惧種保護法の改善に必要なのは規則変更の逆転にとどまらない

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

世界中で危機的な速度で生物種が消滅しつつあるが、米国のトランプ政権は最近、絶滅の危機に瀕する種の保存に関する法律(Endangered Species Act:ESA)を裏付ける規制条項に対する一連の大きな変更を最終決定した。これらの変更の一部は事実上、種の保存を脅かすものである。これらの変更は、係争中の訴訟や米国議会の法案の対象となっている一方で、Ya-Wei LiらはPolicy Forumで、これらの変更を単に破棄させるだけでは、ESAの背景にある根本的な問題を解決することにはならないであろう、と主張している。ESAは1973年に採択されて以来、絶え間ない政治的議論の対象となっており、その理由は主として、ESAが経済活動を制限できることにある。しかし、ESAはまた、その実施に一貫性がなく、その場しのぎであることについても批判されている。Liらによれば、これらの問題の主な源泉は、ESAに用いられている言葉にコンセンサスと透明性が欠けていることに発しており、そのためにこの法律には様々な解釈が行われてしまうことになり得る。このため、ESAは政治的な操作を受けやすくなっており、その目的として要請される環境保護が犠牲にされることが多い。著者らは、ESAにみられる非一貫性を解決し、コンセンサス、保護の正当性、および政策上の結果を改善するための方法について、提案をまとめている。「改正された規制条項に関する現在の議論を、意味のある解決法を見出すために、また米国やその他の場所で危機に瀕している種を保護するために為すべきことに関する議論を深めるための、出発点として役立てよう」と、Liらは記している。

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