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マウスでは脳の「不確帯」のニューロンが好奇心を起こさせる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

脳の不確帯、すなわち「不確実な領域」のニューロンの亜集団がマウスの調査行動および新奇探索行動を引き起こすことが新しい研究で示された。この知見は、これまでに知られていなかった生得的な好奇心の基礎となる脳回路を明らかにしている。この発見はいずれ、新奇探索行動を行う動物や人の治療標的として意義を持つだろうと、関連したPerspectiveの著者は述べている。好奇心(未知のことを探索しようとする動機付け)は、空腹やのどの渇きと同様に生得的なものであり、複雑な学習を行うための進化上の必要条件であると広く考えられているが、未知のものに惹き付けられることの基礎となる神経生物学的機構は明らかにされていない。好奇心の神経生物学に関するこれまでの研究では、報酬が期待される課題の報酬予測に関与する脳中枢に主に焦点が当てられてきた。しかし、報酬が期待されない場合であっても好奇心は探索行動を引き起こす。Mehran Ahmadlouらは、マウスがよく知っている物および新しい物とどのように相互作用したかを評価するためにデザインした一連の実験を開発し、関連する脳活動を観察した。これによりAhmadlouらは、内側不確帯(ZIm)と呼ばれる脳の領域に、新しい物や仲間をマウスに探索させるために不可欠なGABA作動性ニューロン集団を発見した。結果によれば、これらのニューロンは新しい経験に本質的価値を見出すことで作用し、中脳水道周囲の灰白質(動機付け行動および脅威刺激への行動応答において重要な役割を果たす脳領域)を阻害することによって探索行動を促進する。Ahmadlouらはさらに、光遺伝学的手法を用いてこのニューロンを非活性化すると探索行動が減少することも明らかにした。「Ahmadlouら(の知見)は、新規性の探索の分野を、ヒトと動物の行動の最も普遍的で影響力のある先天的誘発因子の1つの理解に向けて一歩前進させるものである」と、関連するPerspectiveでZahra FarahbakhshとCody Sicilianoは述べている。

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