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小さな微生物が炭素放出に驚くほど大きな貢献をしている

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

地表が侵食される際には、岩盤中に含まれる炭素が大気中に放出されることがあるが、今回新しい研究により、この放出に微生物が大きな役割を果たしていることが示された。この研究結果は、炭素が何百万年もの時間をかけて地盤と大気の間を循環する仕組みの解明を進める上で有用だと思われる。化学反応や長い期間を経ての動物の埋没により、炭素の一部は地上から地下へと移動する。それと同時に、侵食によって特定の種類の岩盤が大気にさらされる際に岩盤中の炭素の一部が放出され、二酸化炭素が生じる。しかし、これらのプロセス ―― 炭素放出 ―― のうち、後者の研究は進んでいない。Jordon Hemingwayらは今回、侵食率が特に高い台湾の山岳地帯を調査し、岩盤から放出される炭素の量を上手く抑制しようとした。注目すべきことに、土壌の中に閉じ込められたリソスフェアつまり「岩石圏」有機炭素は独特な同位体特性(つまり分子量)を持っている。Hemingwayらはこれらの同位体特性を使用し、二酸化炭素への転換に必要なエネルギーも計算して、測定した地域では岩盤内の有機炭素の約67%が侵食の際に放出されていると推定した。さらに、岩石圏有機炭素の同位体特性は風化岩石に生息する微生物の脂肪酸に反映されており、これは微生物が栄養源として炭素を使用していることを示すとHemingwayらは述べている。台湾の中央山脈一帯での地滑りと侵食の速度を基に、この地域では年間1平方キロあたり中央値で6.1~18.6炭素トンが放出されていると推測される。

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