News Release

タウを監視して神経変性疾患の進行を追跡する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

タウオパチーという神経変性疾患に対して開発中の抗体療法を、最終的に、患者の疾患進行をスクリーニングするマーカーとして利用できる可能性があることが、新しい研究で報告された。これは、慢性外傷性脳症、前頭側頭型認知症、およびアルツハイマー病で非常に必要とされている新しい治療法に関する情報を得るうえで役に立つと考えられる。これらの疾患では、タウと呼ばれる折り畳みが異常なタンパク質の有毒な「凝集塊」が脳に蓄積されて神経学的損傷と認知機能の低下が生じるが、このような疾患に対する承認された治療法は現在ない。臨床試験の妨げとなっていることの一つは、中枢神経系に凝集したタンパク質を有する患者のスクリーニングであり、 また、治療が意図する標的に達しているかどうか評価することである。げっ歯類での有望な結果に基づき、異常なタウタンパク質を認識するHJ8.5と呼ばれる抗体が現在検討されている。今回、 Kiran Yanamandraらが、HJ8.5を投与すると、タウオパチー患者4例とマウスモデルの血清中の検出可能なレベルのタウが増加したことを明らかにした。タウは通常、ニューロンの中にあるが、脳細胞外の空間での蓄積が、疾患の病態を引き起こす原因となっていると考えられている。Yanamandraらは、マウスの脳内のタウの量と血清タンパク質濃度を関連付け、治療後に認められたタウの濃度が高いことが、タンパク質(通常は血中の半減期が短く、そのため検出できないことが多い)の血清安定性増加を反映していたことを明らかにした。Yanamandraらは、抗タウ抗体が臨床試験へと移行しつつあるため、さまざまな患者集団の血漿中タウを評価することは重要だろうと述べている。

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