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ビッグデータによって、白人男性警察官の警察活動がマイノリティーにとって脅威であることが明らかに

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

研究者らはシカゴ市警察(CPD) ―― 当組織はこの数十年で大きく多様化した ―― の警察官の日常的なパトロールや法執行活動に関するデータを用いて、黒人警察官は白人警察官と比較して、また女性警察官は男性警察官に比較して、力の行使が少ないことを報告している。これらとその他の研究結果は、警察活動の多様化つまり広く提案された警察改革の効果を知る上での手掛かりになる。関係するPerspectiveではPhilip Goffが、「こういった差異の大きさは、少なくとも一部の市において、自分も社会的弱者グループに類別されるとする警察官の数が警察行動を予測する上でかなり重要になるという強力なエビデンスだ」と書いている。警察官と一般市民の相互関係における人種格差と人々の注目を集める過度な力の行使が、警察活動は虐待かつ差別だという主張をあおり続けている。人種と性というレベルでの警察組織の多様化は広く提案された警察改革であるが、警察官の人口統計学データが警察官の行動に与える影響など、関係する重要事項についてのコンセンサスは十分ではない。学者らはしばしば、因果推論に必要なデータが不足しているため、そういった疑問には依然として解答が得られていないと述べている。「その結果、学者らは人種と警察活動を中心とした強力な推論を可能にするデータを特定すると、その分野から正しく称賛される。そして確実に、(本論文の著者は)称賛されるはず」とGoffは書いている。

Bocar Baらは新たに収集したシカゴ市警察(CPD)の警察官の日常的なパトロールや活動についてのデータを活用して、「一般市民が様々な人種・民族・性別の警察官に出会った際にその警察官の予想される対応について、これまでに得られた中で最も信頼できるミクロレベルのエビデンス」の提供に着手した。これまでの研究では、データは警察官を署内もしくは署間で比較していたが、警察官が警察活動を行った場所や時間や相手については考慮していなかった。これにより、同じような市民の行動に直面した警察官同士の比較を確実に行うことが困難になっていた。Ba率いる研究チームはこれを打開するために、3年間にわたる公開記録リクエストを通じて収集された詳細データを利用した。「これは強力な推論を行うための飛躍的進歩だ」とGoffは言う。まずBaらは、マイノリティーの警察官が非常に幅広いパトロール任務を受けていることを示すことができた。続いて自分たちのデータを基に、平均的に黒人警察官は白人警察官と比較して停止、逮捕、力の行使が少ないと報告している。これらの差異は様々な状況下で同じではないが、この差は黒人警察官が黒人市民を注視することが少ないこと、および「不審であることが明確ではない行動」などに対して黒人警察官が自身の裁量で停止命令を使うことが少ないことによるとBaらは述べている。黒人警察官と同様にヒスパニック系警察官も、差異はそれほど大きくないとは言え、白人警察官と比較して停止・逮捕・力の行使は少ない。今回の結果ではまた、女性警察官も黒人市民を含む市民の逮捕や力の行使は男性警察官より少ないことも示された。Baらは自分たちの研究には限界があるとしているが、自分たちの方法は、これらの結果が他の場所や機会にも当てはまるかどうかを検討する際に他の研究者らが習うべき応用範囲の広い定型方法だと述べている。Baらは次のように結論付けている。「多様化の効果は単純でも一枚岩的でもないと考えられる。警察官は多面的で、効果的な人事改革を策定するには多様性戦略で一般的に用いられる大雑把な人口統計学的分類の枠を越えて考えるとともに、警察官の幅広い属性によって警察と警察が仕える市民の関係がどうなるかも検討する必要がある。

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