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CRISPR-Cas9の起源の研究からゲノム編集に利用できる可能性のあるRNAガイドヌクレアーゼのクラスが明らかに

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

CRISPR-Cas9システムの起源を理解しようとする研究者らが、トランスポゾンにコードされるRNAガイドヌクレアーゼを明らかにし、OMEGAと名付けた。このヌクレアーゼは、ヒト細胞におけるゲノム編集に利用できる可能性がある。CRISPR-Cas9システムは、バイオテクノロジーとして発展する有望性が高い、と著者らは述べている。CRISPR-Casシステムの登場は、ゲノム編集やその他のバイオテクノロジーに変革をもたらしたが、このRNAガイド機序の幅広い起源や多様性については、ほとんど研究されていない。RNAガイドエンドヌクレアーゼであるCas9の起源と思われるのは、IS200/IS605トランスポゾンとして知られるトランスポゾンファミリーに属するIscB蛋白質という一群の蛋白質である。今回Han Altae-TranとFeng Zhangらは、CRISPR-Cas9システムがIS200/IS605トランスポゾンからどのように進化したかを再構築した。その結果、著者らはトランスポゾンにコードされる蛋白質としてIscB、IsrB、TnpBの3種類が自然に発生し、これらのリプログラミング可能なRNAガイドDNAヌクレアーゼが、ヒト細胞におけるゲノム編集に利用可能であると報告した。著者らは、今回新たに特性が明らかにされたシステムをOMEGA(Obligate Mobile Element Guided Activity)と命名した。著者らはこう述べている。「今回特性が明らかにされた…システムが幅広く分布していることは、RNAガイド機序が、原核生物においてこれまで推測されていたよりも幅広く存在することを示している」、また「RNAに基づく活性は古い起源を持つ可能性があり、独立した様々な機会を通じて進化してきたのであって、これまでに明らかにされたのはそうした活性の中でも最も一般的なものと考えられる。」


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