News Release

糖タンパクGPNMBはパーキンソン病リスクのバイオマーカー候補

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

コンピュータ計算に基づく細胞生物学およびヒト組織を用いた研究により、遺伝子GPNMBがパーキンソン病(PD)のリスク遺伝子であり、治療標的候補となることが確認されたと、研究者らが報告している。PDは消耗性の脳の進行性神経変性疾患であり、世界中で数百万人の患者がいる。PDの診断は多くの場合、通常数十年の疾患進行後に現れ始める運動症状の存在に基づいて下される。したがって、PDの病理発生について理解を深めることだけでなく、個人におけるPD発症リスクを、重大な神経変性が発生する前に同定できるバイオマーカーパネルを開発することが喫緊に必要とされている。ゲノムワイド関連研究(GWAS)により、PDリスクに寄与する80以上の遺伝子座が同定されているが、標的遺伝子と、そうした遺伝子に関連する生物学的機序は、依然としてほとんど解明されていない。これまで、PDを定義する神経病理学的病変の主要な要素であるa-シヌクレイン(aSyn)に関連する経路が、治療標的候補として研究されてきた。しかし、これらの取り組みはこれまでに結果が得られていない。Maria Diaz-Ortizらは、第7染色体上の一つのリスク遺伝子座であるPD GWASについて評価を行い、これを膜貫通型タンパクGlycoprotein Nonmetastatic Melanoma Protein B(GPNMB)と関連付けた。Diaz-Ortizらは様々な実験手法を用いて、GPNMBがaSynと相互作用すること、また細胞内で線維状aSynの取り込みと、その後のaSyn病変の発現にとって必要かつ十分であることを発見した。さらに著者らは、有症状の早期PD患者および進行PD患者約800人から得られた血漿サンプルにおいてGPNMBの濃度が高いこと、またその濃度には疾患病期とともに上昇がみられることを見出した。これらの結果から、GPNMBが疾患進行における重要なバイオマーカーとなる可能性が示唆される。Perspectiveでは、Brit MollenhauerとChristine Von Arnimが、この研究とその結果について詳しく論じている。


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