News Release

新規のオンデマンド細胞自律的遺伝子治療戦略がマウスで発作を止める

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

ニューロン活動を抑制する遺伝子のオンデマンド発現は、マウスにおいて自発性発作を低減する方法になると、研究者らが報告している。新たな研究においてYichen Qiuらは、てんかんなど、問題のある過剰活動がごく一部のニューロン集団にみられる脳回路障害を治療するための、クローズドループ遺伝子治療法を提示している。自発性発作と間欠性発作は、てんかんのような神経発達障害や神経精神障害に特徴的にみられる。こうした発作は抗発作薬によって抑えられるが、患者の約3分の1はこれらの治療薬に反応しない。最初は効果がみられたその他の患者でも、その後に効果がみられなくなることがある。薬物療法という解決法以外で、いくつかの遺伝子治療戦略に有望性が示されている。しかし、しかしこれらの治療法は、対象とする脳領域において、発作の引き金となる問題のある特定の回路ではなく、無差別にすべてのニューロンを標的とする傾向がある。このことに対処するためにQuiらは、病理学的な過活動を呈するニューロンを自己選択して、その興奮性をクローズドループ・フィードバックシステムによって抑制する遺伝子治療戦略を開発した。この方法は、発作を含むニューロン活動により発現が亢進するFos遺伝子を利用して、ニューロン活動を抑える抑制遺伝子をコードするKcna1遺伝子を制御するというものである。QiuらはFosプロモーターとKcna1をコードするアデノ関連ウイルスベクターを用いて、てんかんのマウスモデルにニューロンを導入した。強度のニューロン活動が生じている間、FosはKcna1の発現を促進したが、それは過活動ニューロンにおいてのみ、またそれらのニューロンが異常な活動を示している間のみであった。この結果によれば、ニューロンの興奮性は発作関連活動によりこれらのニューロンにおいて抑制され、こうして、持続的な抗てんかん作用が、正常なニューロン活動に影響することなく発揮された。Kevin Staleyは関連するPerspectiveにおいて、この新規アプローチについて詳細に論じている。


Disclaimer: AAAS and EurekAlert! are not responsible for the accuracy of news releases posted to EurekAlert! by contributing institutions or for the use of any information through the EurekAlert system.