インドの拡大し続けるエネルギー部門における排出量、健康および公平性のバランスを取る

インドは、将来に自国の電力インフラの成長を計画しているなら、気候変動と、健康に対する大気汚染の影響について考慮する必要がある、とShayak Senguptaらは新たな研究で主張している。この研究の分析の結果は、インドの急速に成長しつつあるエネルギー部門からの排出量と、気候変動および大気汚染に対する政策介入がもたらす様々な影響および意味とを比較したものであり、これにより、現在広く適用されている政策が排出量を減らしたり空気の質の格差を低減したりするには不十分であることが示されている。インドは、世界で第三位の経済大国であり、発電国であるが、その人口の大部分はまだ電力を消費していない。そのため、インドの人口集団がより裕福になり、電気インフラが拡大するにつれて、電力需要はきたる十年間で劇的に上昇することが予想される。しかし現在でも、インドのエネルギー部門からの現在の排出量は、現時点では主に石炭に依存しているが、地球の気候変動のみならず大気汚染にも寄与している。インドのほとんど全部の地域が大気汚染に曝されており、その結果として年間に百万人近くの早期死亡がもたらされている。インドが地球の気候変動と公衆衛生に及ぼしている影響は、この国の急速に拡大しつつあるエネルギー部門において大きな変化が成されなければ、さらに大きくなることが予想される。Senguptaらは、インドにおける発電量と需要についてモデルを作製した。このモデルは、様々な政策介入、例えば炭素税、全国規模で発電と電力消費のバランスを取ること、また硫黄削減のための規制などが及ぼす影響についての評価も行うものである。その結果によれば、低炭素エネルギーインフラへの新たな投資を行わなければ、政策介入だけではインド全体の排出量に対して何ら実効性のある効果をもたらす可能性が低く、様々な地域によってエネルギーコストと大気汚染曝露における異なる格差をもたらす可能性がある。「インドがその経済を発展させ続けるにつれて、その電力部門政策がもたらす短期的および長期的な影響、ならびにそれが社会的格差に及ぼす影響のバランスを取ることは、環境にやさしいとともに公正な低炭素世界への移行を確実なものとする上で極めて重要となろう」と、関連するPerspectiveの中でRanjit DeshmukhとSushanta Chatterjeeは記している。