News Release

アイスキューブ(IceCube)が天の川銀河内で放出されたニュートリノを検出

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

南極氷床の地下深くに設置された1立方キロメートルの粒子検出器「アイスキューブ・ニュートリノ観測所」のデータから、天の川銀河(銀河系)内で高エネルギーニュートリノが放出されたことが明らかになった。関連するPerspectiveでLuigi Antonio Fuscoは、「長年探し求めてきた信号の存在が確認されたことで、銀河系における宇宙素粒子物理学の未来が切り開かれた」と述べている。これまで観測された高エネルギーニュートリノは、そのほとんどが、銀河系のはるか外にある活動銀河などに起源をもっていた。一方、ガンマ線観測では、銀河系の銀河面内から明るい放射があることが示されていた。ガンマ線とニュートリノは同じ天体物理学的過程で生成されると考えられるため、銀河系の銀河面からニュートリノも放出されていると予想されていた。しかし、これまでニュートリノ検出器を用いて銀河内信号を探索しても、こうした信号が存在するという決定的な証拠は得られなかった。南極のアイスキューブ・ニュートリノ観測所で得られた10年分のデータに機械学習技術を適用することにより、アイスキューブ・コラボレーションの研究者らは、銀河系の内部から放出されるニュートリノについて、統計学的に頑健な初の証拠が得られたと報告している。著者らによると、観測された銀河面からの過剰なニュートリノは、銀河系が高エネルギーニュートリノの発生源であることの証拠であり、銀河系内にける宇宙線の分布や予想される相互作用とも一致しているという。


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