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ミツオシエは様々な文化に属するハニーハンターらが発する文化独自のシグナルを学習する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究によると、アフリカのミツオシエは地元のハニーハンターが発するその文化独自のシグナルを理解して反応し、このことは種間の文化的共進化を示唆しているという。動物界には種間の相利共生が多数あるが、人間と野生動物がうまく協力するという行動システムは珍しい。1つのそういった関係に、人間を野生のハチの巣に誘導することで知られる小型のアフリカ鳥、ノドグロミツオシエ(Indicator indicator)との関係がある。人間はハチの巣を開けて蜜を集め、ミツオシエはそこに露出した蜜蝋を食べる。アフリカの様々な地域のハニーハンターは、多くの場合、文化特有の特殊な呼び音を使って、一緒に採蜜してくれるミツオシエを探しているというシグナルを出すともに、ミツオシエの誘導に従う間もその協力関係を維持している。例えば、モザンビーク北部のヤオ部族のハニーハンターらは、まず大きな震え声、続いて低いうなり声(「brrr-hm」)を使う。一方、タンザニア北部のハヅァ部族のハニーハンターらは、口笛でメロディーを吹く。ミツオシエをうまく呼び寄せることができるこれらの呼び音は、何世代にもわたって部族の中で受け継がれてきた。Claire SpottiswoodeとBrian Woodはこれら地域での一連の現場実験で、ミツオシエは地元の人間の文化以外のシグナルや人間が気ままに発する音より、地元文化のシグナルに反応しやすいのかどうかを調査した。彼らは、ヤオ族地域のミツオシエは、ハヅァ族の口笛よりヤオ族独自の呼び音に反応して誘導を始める可能性の方が3倍以上高いことを発見した。反対にハヅァ族地域のミツオシエは、ヤオ族の「brrr-hm」音よりハヅァ族の口笛に反応する可能性の方が3倍以上高かった。SpottiswoodeとWoodによると、この行動システムで見られた地理的差異、及びシグナルと反応の連携は、ミツオシエと人間が文化的に共進化したことを示唆しているという。関係するPerspectiveではWilliam SearcyとStephen Nowickiが、本研究とその成果について詳細に論じている。

 

こういった動向に関心のある記者の皆様へ。本研究は、Science 誌2016年7月のReportに掲載された、モザンビークのミツオシエとハニーハンターの相互シグナリングを実証した研究に基づいています。https://www.science.org/doi/10.1126/science.aaf4885


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