News Release

神経芽細胞腫の予後とリスクに関する機構的アプローチ

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

新しい研究で、400個を超える治療前の腫瘍のゲノム解析により、神経芽細胞腫(乳児に生じることがもっとも多いまれなタイプの癌)のリスクと予後を医師が評価するうえで大きな助けとなり得る重要な分子指標が明らかになった。この新しいデータから、腫瘍のテロメア維持と遺伝子変化に基づいて疾患のさまざまなサブタイプを分類し診断する正確な方法が提供され、新たな治療法に関する情報が得られる。神経芽細胞腫は小児腫瘍の一種で、交感神経系の胎児神経細胞から発生する。この癌はときには治療によく反応し、癌細胞が死滅して腫瘍が自然に消滅することもあるが、神経芽細胞腫と診断された患者のほぼ半数は、集中的な治療にもかかわらず致死的な結果を伴うことの多いつらい予後に直面する。これまでの研究で、腫瘍の明確な臨床リスクと、テロメア維持に影響することが知られている遺伝子の変異の関連性が示唆された。しかし、これらの発見はいずれも、多種多様な神経芽細胞腫表現型を説明するには至っていない。Sandra Ackermanらは、この癌のさまざまなサブタイプの基礎となる特定の遺伝子変異に関する見識を得るために、さまざまな神経芽細胞腫の患者の治療前神経芽細胞腫のゲノムを検討した。Ackermanらの解析から、神経芽細胞腫の最終的な臨床転帰の決定におけるテロメア維持ならびにRASおよびp53経路の遺伝子の変異の重要な役割が明らかになった。この結果は、テロメア維持機構のない腫瘍はリスクが低く、テロメア維持陽性腫瘍を有する患者のみに致死的な転帰が認められることを示している。このリスクは、RAまたはp35あるいはその両方の変異が存在するとより大きかった。

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