News Release

マラリアの妊婦にサプリメントで出産転帰が改善

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

マラリアに感染した妊婦では、L-アルギニンと呼ばれる必須アミノ酸が低濃度になっており、このことがこれらの妊婦で死産や低出生体重児などの合併症をきたす割合が高いことを説明すると考えられる。 妊娠時のマラリア感染症(MIP)は、母子の合併症や死亡の世界的に重要な原因であり、したがって有害な出産転帰を抑制することはグローバルヘルスにおける優先順位の高い課題であるが、安全かつ効果的な介入法はまだほとんどない。本稿でChloe McDonaldらは、マラウイの妊婦384例の集団においてL-アルギニンの低濃度が有害な妊娠転帰と関連していることを明らかにした。著者らは妊娠マウスを用いて、マラリアに感染したマウスではL-アルギニンのサプリメント補充が有益であり、新生仔の生存率と出生体重が改善することを観察した。著者らは、胎盤内の血管の発達を促進する一酸化窒素の合成において、L-アルギニンが重要な役割を果たすことを見いだした。McDonaldらはマラリアに感染した妊娠マウスに画像検査を用いて、L-アルギニンのサプリメント補充により炎症が軽減し、胎盤内の血管発達を促進することを確認した。マラリアが流行し、またL-アルギニンの食事補給が難しい地域において、毎年約1億2500万人の女性が妊娠している。関連するFocusでJames Beesonらは、こうした女性に対するアミノ酸サプリメントが「簡単で、廉価かつ実用的となる可能性がある」と論じている。この研究の著者らによれば、胎盤機能を促進することを目的とした新しい介入法は、MIPだけでなく、胎盤機能不全に関連する有害妊娠転帰の他の原因に対しても、出産転帰を改善する可能性があるという。

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