News Release

都市における謎の問題である新粒子形成

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

大都市の汚染大気中では、ある種の化学的条件下において、新粒子生成が生じ得る。今回の研究では、都市環境におけるこれまで謎であった新粒子生成(NPF)のプロセスに関する新たな洞察が示された。NPFは世界的にみられる現象であり、大気中のエアロゾル粒子や雲が発生する際の凝結核の濃度に影響を及ぼす大きな原因となる。これらはいずれも、地域の大気の質だけでなく、地域そしておそらくは世界の気候に影響を及ぼす。これまでの研究では、NPFは極めて微妙な現象であり、特定の大気条件下でのみ発生し、既存の大きなエアロゾル(NPFのプロセスを抑制する傾向がある)のないきれいな空気を必要とすることが示唆されている。しかし、最近の観察結果から、NPFのかなりの割合が、環境中の粒子量が多いにもかかわらず、汚染が進んだ一部の大都市で発生していることが明らかにされ、上記のような理解と反する結果が示されている。この矛盾を解明するため、Lai Yaoらは上海(中国)でNPFイベントの長期にわたる観察を実施した。様々な機器を用いて、大気の化学的性質および新たに形成されたエアロゾルの大気中分子における優先度を測定して、2014~2016年に2回の調査を行ってNPFイベントを記録した。これら2つのデータセットから、観察されたNPFイベントの背景となる化学的および物理的メカニズムが明らかにされ、二次エアロゾルの生成が硫酸-ジメチルアミン-水(H2SO4-DMA-H2O)の核形成を介して発生するらしいことが示唆され、この結論は実験室における実験研究によりほぼ裏付けられた。著者らは、中国で観察された大規模な大気中NPFイベントは、二酸化硫黄やアンモニア、およびその他の揮発性有機化合物といった前駆体ガスの大規模排出の結果であり、これら化合物の排出規制が、二次エアロゾルの生成を低減するために極めて重要であると示唆している。

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