News Release

in vitroで幹細胞から作製した機能性ラット生殖細胞から子を誕生させることができる

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

in vitroでラットの幹細胞から作製した始原生殖細胞様細胞(PGCLC)が、in vivoで配偶子形成過程を経て正常なラット子孫となることが、新たな研究で示された。in vitro由来の生殖細胞からの子孫の誕生は、これまでマウスでは成功していたが、Mami Oikawaらはこの能力をヒトの生物医学研究の主要動物モデルであるラットに拡張した。さらにこの知見は、他の種のin vitroでの配偶子形成を成功させるために不可欠な、保存された多様な機構に関する新たな見識を提供している。哺乳類では、始原生殖細胞が正常な配偶子(精子と卵子)の前駆体である。in vivoで健康な子孫を得るために使用できる生殖細胞をin vitroで多能性幹細胞(PSC)から作製することは、長年にわたり、生殖医学と動物育種科学の中心となっている。約10年前に、マウスではこれが達成されたが、in vivoで配偶子を産生するようにin vitroでPGCLCを誘導することは、他の種では達成されていない。今回、Oikawaらは、ラットPSCから機能性PGCLCを作製し、これを生殖細胞系列のないラットの精巣に移植したところ、成熟して機能性精細胞となったことを示した。さらに、これらの精子細胞を未受精卵に注入すると、正常な子孫を誕生させることができた。Oikawaらによれば、ラットはマウスよりも生理学的にヒトに類似しているため、これらのin vitroでの配偶子形成の進歩により、さまざまな遺伝的異常や疾患の原因となる影響についてさらなる研究ができる可能性がある。


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