News Release

近傍活動銀河NGC1068から放出される高エネルギーニュートリノ

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

IceCubeニュートリノ観測実験(南極氷中数千フィートの深さに埋め込まれた数千個の検出器から成るネットワーク)によって、M77銀河とも呼ばれる近傍活動銀河NGC1068からのミュートリノ放出について証拠が発見された。本件新研究の発見によると、今回新たに発見された発生源の特性は、以前ニュートリノ発生源として発見された高エネルギーブレーザーTXS0506+56とは全く異なっており、観測された宇宙背景ニュートリノに複数の発生源群が関係している可能性の高いことが示唆されている。地球で検出される高エネルギーニュートリノは、主として、銀河若しくはブラックホールジェットなどの天体内の物質もしくは輻射またはこれらの天体と地球の間の銀河間空間内の物質や輻射と宇宙線が衝突する際に生成される。観測からは、銀河系外発生源からきたニュートリノから成る広がった背景放射の存在が示唆されていた。宇宙ニュートリノの起源及び他の宇宙線との関係を解明することは、宇宙形成の基本的過程を理解するために最も重要である。しかしながら、これらの補足困難な素粒子について個々の発生源を解明することは、難題であった。今回、IceCube共同実験(400名超の研究者から成る国際的グループ)では、IceCubeニュートリノ検出器によって2011年~2020年の間に収集されたデータが評価されて、110個の既知の銀河系外ガンマ線源の中から宇宙背景放射を超える宇宙ニュートリノ放射が探索され、NGC1068が高エネルギーの銀河系外ニュートリノの点源であることが解明されている。「その様な『隠された』ニュートリノ発生源の存在は従来、IceCubeニュートリノ観測実験から得られたニュートリノ観測データ及びフェルミガンマ線宇宙望遠鏡から得られたガンマ線観測データの解析から示唆されていた」と村瀬孔大氏は関連するPerspectiveにおいて述べている。「NGC1068などの低光度な活動銀河核(AGNs)を始めとした電波の弱いAGNsは、ブレーザー及び電波の強いAGNsより豊富に存在しており、IceCubeニュートリノ観測実験によって観測されたすべての量の宇宙ニュートリノがこれらによって説明され得る可能性がある」


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