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ミツバチは社会的シグナル学習で尻振りダンスのパフォーマンスが向上する

Peer-Reviewed Publication

American Association for the Advancement of Science (AAAS)

社会的学習はミツバチの「尻振りダンス」の能力に重要な役割を果たしていると、研究者らは報告している。彼らは、年長の経験豊かな同じ巣の仲間の尻振りダンスに接したことのないミツバチは間違いだらけの目茶苦茶なダンスをすることを発見した。この発見は、社会的学習が、人間や鳥、その他の社会的脊椎動物種の場合と同様に、昆虫においても複雑なコミュニケーション形態を形成することを示している。尻振りダンスは、採餌を行うミツバチが食料源の正確な位置についての空間的情報を同じ巣の仲間に伝えるために使う行動である。ダンス中のハチは、腹部を振りながら巣の中で繰り返し8の字型に円を描いて回るダンスを行っている。円を1つ描く際の腹部を振る時間と角度に、食料の場所までの飛行距離と方向が符号化されている。同じ巣の仲間はダンスをしているそのハチを見て食料の場所を知る。尻振りダンスの根底に遺伝的要素があることはわかっているが、それが完全に生得的な行動なのか、社会的学習を通して学んだ及び/若しくは強化された行動なのかはあまりわかっていない。しかしShihao Dongらは、このダンスが完全に生得的なものであるならば、若いハチは、このダンスをこれまで見たことがないとしても、正確にこのダンスを行えるだろうと言う。

 

この疑問を検討するために、Dongらは生まれたばかりのハチだけでミツバチコロニーを作ったところ、ミツバチらはこれまで尻振りダンスを見たことがなかったにもかかわらず、孵化後1~2週間でダンスをし始めたことを発見した。しかし、経験の浅いこれらのハチが行うダンスは距離と方向が大きく間違っていた。また、幼いハチも経験を積むにつれて方向については精度が向上したが、距離については生涯を通してずっと過大評価していた。対照群コロニーの幼いハチは、自分たち自身のダンスを始める前に年長の経験豊かなハチのダンスを観察することができ、同じような欠点が生じることはなかった。「昆虫は太古的な(若しくは、原始的な)状態であるのが基本で、学習はより高度なものだと推測する学者もいます。この反対はほぼ考えられていません。部分的に生得的ではない革新的行動の根底にはそれぞれの学習があると思われます」と、関係するPerspectiveでLars ChittkaとNatacha Rossiは書いている。「Dongらの研究によって、複雑な行動が完全に生得的であることはほぼないというエビデンスがまた増えました。」


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