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17-Jan-2025
【ポッドキャスト】 芸術を通して科学体験の方法を変える―アーティスト、スプツニ子!さんが登場!
Okinawa Institute of Science and Technology (OIST) Graduate University
スプツニ子!(Sputniko!)さんは、芸術とテクノロジーを融合させて、社会問題を探求している日本と英国のアーティストです。彼女の作品は、科学的な概念と新しい技術を融合させることで、私たちの視点に疑問を投げかけ、重要な社会問題や環境問題を浮き彫りにしています。
この度、OISTのサイエンスライター マール・ナイドゥ―が、OISTポッドキャストでスプツニ子!さんにインタビューしました。
スプツニ子!さんは、科学者とのコラボレーションも頻繁に行っており、遺伝子組み換え技術と文化的な神話を組み合わせた蚕を用いた「Red Silk of Fate」プロジェクトはその一例です。「運命の赤い糸で結ばれた二人」というアジアの神話から着想を得たスプツニ子!さんは、農研機構(NARO)の研究領域長で東京大学教授の瀬筒秀樹氏と共同で、「愛情ホルモン」として知られるオキシトシンを含む遺伝子組み換えした赤い蚕を作り出しました。
今回のポッドキャストでは、スプツニ子!さんが自身の芸術活動のきっかけと課題について語り、科学とテクノロジーが作品の中心的なテーマとなっていることを説明しています。また、11月29日から1月9日までOISTトンネルギャラリーで開催された展覧会「コーラルカラーズ」のインスピレーションについても語ってくれました。
16-Jan-2025
南アフリカの洞窟遺跡のアウストラロピテクスは肉を大量には食べていなかった
American Association for the Advancement of Science (AAAS)Peer-Reviewed Publication
Tina Lüdeckeらの新しい研究によると、南アフリカのスタルクフォンテイン化石遺跡で発掘された7つのアウストラロピテクスの標本は草食性のヒト族で、肉は大量には食べていなかったという。Lüdeckeらは、化石標本の歯のエナメル質から抽出した有機窒素と炭酸塩炭素の同位体を分析し、そのヒト族が何を食べていたかを突き止めた。初期のヒト族は動物性食料を摂取することで、脳が大きくなり、腸が短くなり、背が高くなったという説があり、これらは全てヒトの進化における重要な事象である。同時期(約370万年前)の切断されて解体された骨や一部の石器がアウストラロピテクスが肉をいくらか食べていたことを示唆してはいるが、肉食だったという直接的なエビデンスはない。Lüdeckeらは、アウストラロピテクスを含む43の動物化石と現代のアフリカの哺乳類のエナメル質の窒素同位体測定値を分析し、既知の肉食動物と草食動物におけるこれらの同位体の特徴を明らかにした。その結果、肉食動物群と草食動物群ではエナメル質の同位体は明らかに違い、アウストラロピテクスのエナメル質は草食動物群のそれとかなり似ていたことが判明した。アウストラロピテクスはマメ科植物若しくはおそらくシロアリといった高カロリーで窒素同位体比の低い物を食べていた可能性があると、Lüdeckeらは述べている。しかし、ヒトの進化の顕著な特徴である脳の大きさなどの特徴を変えるほど大量の肉を食べていた可能性は低いと結論付けている。
- Journal
- Science
16-Jan-2025
タンパク質をデザインするために開発されたAIモデルは、新しい蛍光タンパク質の開発において5億年のタンパク質の進化をシミュレートする
American Association for the Advancement of Science (AAAS)Peer-Reviewed Publication
Thomas Hayesらは、ESM3と呼ばれるマルチモーダル生成言語モデルに基づいて、これまで知られていなかった明るい蛍光タンパク質を生成・合成した。既知の蛍光タンパク質とは遺伝子配列が大きく異なるため、研究者らは、その生成はESM3が5億年の生物学的進化をシミュレートしたようなものだと述べている。このモデルは、自然に進化したタンパク質がどのように働くのかをよりよく理解するため、並びに医療、環境修復、およびその他の多くの用途に使用される新規タンパク質を開発するために、タンパク質の可能性の空間を「探索」する新しい方法を提供すると考えられる。ESM3は、タンパク質の配列、構造および機能を、生成言語モデルで組み合わせることができる個別のトークンのアルファベットで表すことによって説明できる。この戦略は、タンパク質配列のみを尺度とした言語モデルのこれまでの使用法とは異なる。ESM3のトレーニングデータは、31億5千万個のタンパク質配列、2億3600万個のタンパク質構造、および機能アノテーション付きの5億3900万個のタンパク質から作成された7710億個の固有のトークンで構成される。ESM3は最大980億個のパラメータをトレーニングすることができる。ESM3は現在、APIを介して公開ベータ版が提供されており、科学者がタンパク質をプログラム的に設計したり、インタラクティブなブラウザベースのアプリを通じて設計したりできる。研究者は、無料の学術アクセス層を介してこのEvolutionaryScale Forge APIを使用することも、オープンモデルのコードと重みを使用することもできる。
- Journal
- Science
15-Jan-2025
地球と海王星の中間サイズの太陽系外惑星で多量の二酸化炭素を検出
National Institutes of Natural SciencesPeer-Reviewed Publication
ジェイムズ・ウェッブ宇宙望遠鏡(JWST)による新たな観測データと理論シミュレーションによって、太陽系には見られない新しいタイプの太陽系外惑星(以下、系外惑星)が確認されました。この研究は、惑星や惑星系がどのように形成されるかを理解するための新たな知見となります。
- Journal
- The Astrophysical Journal Letters
- Funder
- JSPS KAKENHI, JSPS KAKENHI, NASA Next Generation Space Telescope Flight Investigations program (now JWST), NASA Next Generation Space Telescope Flight Investigations program (now JWST)
10-Jan-2025
すばる望遠鏡の超広視野多天体分光器、いよいよ本格始動
National Institutes of Natural Sciences
すばる望遠鏡に、特殊な「複眼」が新たに装備されました。約2400個に及ぶ「目」を、広大なすばる望遠鏡の主焦点の視野に散りばめ、多数の天体からやって来た光を同時にプリズムで捉え、色に分けて観測します。これほどの探査性能を備えた8メートル級の望遠鏡は、すばる望遠鏡が世界で唯一となります。宇宙の成り立ちと銀河の生い立ちを精密に理解するために不可欠なこの観測装置が、いよいよ2025年2月から本格始動します。
8-Jan-2025
ガラス形成液体の遅いダイナミクスの微視的機構の解明
Institute of Industrial Science, The University of TokyoPeer-Reviewed Publication
東京大学 先端科学技術研究センター 田中 肇 シニアプログラム
アドバイザー(特任研究員)/東京大学名誉教授(研究開始当時:生産技術研究所教授)と同大学工学系研究科 物理工学専攻 石野 誠一郎 博士課程学生(研究当時)、松山湖材料研究所フ― ユアンチャオ 教授(研究開始当時:生産技術研究所 学振外国人特別研究員)の研究グループは、ガラス形成液体のモデルを用いた数値解析により、基本的な粒子再配置モード「T1プロセス」が液体の構造秩序と動的挙動にどのように影響するかを解明しました。
液体の構造秩序と動的挙動の微視的レベルでの関係を示す初の研究であり、
液体に形成される秩序を維持するT1プロセスが、協同的なダイナミクスのカギを握っていることを示した点に新規性があります。
ガラス形成物質のダイナミクス制御に新しい視点を提供し、より効率的な
材料設計やガラスの製造プロセスの改善に貢献することが期待されます。
- Journal
- Nature Materials
7-Jan-2025
肥満予防の生理活性タンパクの発見
Kumamoto UniversityPeer-Reviewed Publication
熊本大学大学院生命科学研究部代謝内科学講座/熊本大学病院糖尿病・代謝・内分泌内科の阪口雅司助教、岡川章太研究生、窪田直人教授および荒木栄一名誉教授らのグループは、肝臓由来のタンパク「SerpinA1」が、褐色脂肪組織の活性化や白色脂肪の褐色化(ベージュ化)を誘導し、エネルギー代謝を改善することを明らかにしました。SerpinA1は脂肪細胞表面EphB2注2と相互作用して、ミトコンドリアで熱産生を行うUCP1注3の発現を促進し、褐色および白色脂肪細胞のミトコンドリアの活性化を起こします。この研究は、肥満と肝臓障害の関連を明らかにし、メタボリックシンドロームの迅速診断と治療への新しい道筋をつけるものです。
本研究成果は、日本時間2024年11月12日(火)19 時(ロンドン時間 11月12日(火)10時)に、Springer Nature社が刊行する科学学術誌「Nature Communications」のオンライン版に掲載されました。
- Journal
- Nature Communications
- Funder
- Japan Society for the Promotion of Science, Japan Association for Diabetes Education and Care, Kumamoto University Hospital Research Revitalization Project (2023), Manpei Suzuki Diabetes Foundation, Japan Society for the Study ofObesity, Novo Nordisk Pharma, Astellas Foundation for Research on Metabolic Disorders, Center for Metabolic Regulation of Healthy Aging, Japan Agency for Medical Research and Development, Japan Foundation for Applied Enzymology, NIH grant
7-Jan-2025
肌の乾燥に寄与する視覚的手がかりは何か?
Toyohashi University of Technology (TUT)Peer-Reviewed Publication
豊橋技術科学大学情報・知能工学系認知神経工学研究室と視覚認知情報学研究室、九州大学大学院芸術工学研究院メディアデザイン部門、ピアス株式会社中央研究所から成る研究チームは、肌の潤い・乾燥に寄与する視覚的手がかりを明らかにするため,どのような画像操作をすると肌の視覚的潤い感が変化するかを心理物理実験によって検証しました。その結果、肌の明るさの高空間周波数成分の強調によって、視覚的潤い感が減少することがわかりました。このような見た目の変化は、皮膚の乾燥による白い筋の出現や毛穴の強調といった、乾燥に伴う皮膚の生理学的現象とよく似ており、これらを手がかりとして肌の乾燥を知覚しているのではないかと考えられます。この研究の結果は、2024年12月17日付でJournal of the Optical Society of America A誌上に発表されました(https://doi.org/10.1364/JOSAA.536898)。
- Journal
- Journal of the Optical Society of America A (JOSA)
- Funder
- JSPS Grants-in-Aid for Scientific Research, JSPS Grants-in-Aid for Scientific Research, JSPS Grants-in-Aid for Scientific Research
6-Jan-2025
高調波発生を用いて金属の異方性を可視化
Yokohama National UniversityPeer-Reviewed Publication
横浜国立大学の片山郁文教授らの研究グループは、軽量な構造材料として知られる金属チタンの単結晶に赤外線短パルスレーザーを照射することによって、入射波の3倍、5倍のエネルギーを持つ高調波が発生することを見出しました。
- Journal
- Communications Physics
- Funder
- Japan Society for the Promotion of Science, Japan Society for the Promotion of Science, Japan Society for the Promotion of Science, Japan Society for the Promotion of Science, Japan Society for the Promotion of Science, Research Center for Biomedical Engineering, Light Metal Educational Foundation, The Japan Institute of Metals and Materials