自然科学研究機構 生命創成探究センター/生理学研究所のレイモンド・バートンスミス 特任助教、村田 和義特任教授の研究グループは、クライオ電子顕微鏡(cryo-electron microscopy: cryo-EM)で取得したデータから、従来の物理的解像度限界を超える高分解能情報を復元できる新しい画像解析技術「Post-Acquisition Super Resolution(PASR)」を開発しました。PASR法は、撮影済みのムービーデータに対して計算機上で前処理を行い、フレーム間に存在する微小な粒子移動情報を活用することで、高周波情報を再構成する技術です。本手法により、追加の顕微鏡測定を行うことなく、既存データからより高精細な構造情報を引き出すことが可能になりました。研究チームは、タンパク質、ウイルス、巨大ウイルスなど複数のデータセットにPASR法を適用し、物理的ナイキスト限界を超える分解能向上を確認しました。本成果は、構造生物学や創薬研究におけるcryo-EM解析の効率化と高精度化に貢献すると期待されます。
本研究成果は、2026年9月2日に、国際科学雑誌「IUCrJ」にオンライン公開されました。